吹替翻訳
<3.映像翻訳>
②吹替翻訳
吹替翻訳は洋画やテレビドラマなどの日本語台本を作成する仕事である。
単に俳優の表情や口に合わせて台詞を訳すだけでなく、声優が音入れが
しやすいように状況説明(ト書き)なども入れる。このため、新人はともかく
ベテランの吹替翻訳者には演劇関係出身者が多い。
劇場公開映画を吹替版で観ることはあまりないが、テレビやビデオの映画は
吹替版も多い。吹替には文字を目で追うよりも音声の方が受け入れやすく、
また厳しい字数制限のある字幕に比べ、オリジナルの情報を多く内容に
組み込めるというメリットがある。特に字幕を追うのが難しい子供や年配者
には吹替版のほうが喜ばれることが多い。
また映画以外にもテレビのドキュメンタリー番組などで字幕や吹替が入る
ことがあり、多くの場合、字幕と吹替の両方が使われている。ドキュメンタリーの
翻訳は解説と台詞の翻訳がほとんどである。翻訳者は映像を見ながら、
事前に準備された下訳をチェックすることから始め、ラフなものを魅力ある
おもしろいものに変えていく。できあがった原稿は専門家にチェックしてもらい、
それから録音作業に入る。
吹替翻訳には字幕翻訳同様、高度なテクニックが要求される。セリフの長さに
制限があるなど字幕翻訳と似ている部分があるが異なる部分も多い。
前述のように吹替翻訳は台本の翻訳であるため台詞だけでなく声優が
台詞を入れやすいようにト書きなどもいれていく。台詞の前にバックに人の
足音の音がすれば「人の足音-」といった具合に入れていくのである。
このため翻訳にかかる労力は字幕の2倍とも3倍とも言われる。しかし
登場人物のキャラクターに合った台詞を作ることができるという意味では
楽しい仕事である。
■吹替翻訳者になるには■
吹替翻訳者になるには字幕翻訳同様、映画やビデオの吹替版制作を専門に
行っている製作会社などを経てプロになるケースが多い。字幕翻訳と
兼ねて仕事をしている人もいる。全くツテのない人は基礎的な技術を
スクールで学ぶことが望ましい。最近では海外ドラマが復活の兆しを
見せているがドキュメンタリーはともかく声優を使う分コストがかかるため、
一般的には映画やドラマの吹替えは減りつつある。こうした状況から
吹替翻訳は長いキャリアを持っている人が多く、新人が入りにくい世界である。
これから吹替翻訳者を目指す人は映画やドラマだけにこだわらずドキュメンタリー
などの映像翻訳を手がけ、実績作りをすることが重要である。
March 31, 2010|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:映像翻訳
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