実務翻訳

実務翻訳

<2.実務翻訳>

企業、官公庁、団体、学者や医者の研究などで発生するドキュメントの

翻訳を実務翻訳または産業翻訳と呼ぶ。出版や映像、エンターテイメント

の翻訳よりも最も需要の高いジャンルである。企業において発生する

翻訳はこれから市場に出回る製品や技術に関する文書が多く、翻訳者は

最先端の技術の伝達を担うことになる。

実務翻訳の特徴は出版、映像の翻訳がほぼ和訳を中心としているのに

対し、和訳、英訳(外国語訳)の両方の需要がある。

■実務翻訳者に求められること■

①正確に訳すこと。

②クライアントの要求する文体で仕上げること。

③納期厳守

④機密保持

■実務翻訳のプロになるには■

実務翻訳のプロへのアプローチ法は3つある。

まずひとつは日常的に語学を使う仕事に就き、そこで養った語学力を生かして

翻訳者に転向するケースで企業の海外業務についていた人が比較的多い。

もうひとつは技術系の仕事に就きその専門知識をセールスポイントとして

産業翻訳者になるケースでSE、プログラマ、各分野の研究者などが

あげられる。3つめは翻訳の専門学校に通って技術を習得し、実務翻訳者に

なるケースで技術系の仕事に就いたことのない人はまずスクールで翻訳技術を

身につけることが先決である。実力がつけば翻訳会社のトライアルを受けて

登録させてもらえる可能性がある。

このように産業翻訳はビジネス経験が非常に重要な仕事であるといえるが、

これは原文の理解と翻訳先言語へのアウトプットという翻訳の2つの工程に

おいていずれも対象言語についての専門知識を要するためである。

実務翻訳の世界では専門をもたない翻訳者は信頼が薄いので、新人の頃は

色々な仕事を受けるのもよいが、将来的には専門を持つことが重要である。

今までの経歴から専門知識を身につけている人はその分野をいかすべきで

あるが、これから専門分野を開拓していこうという人は仕事の需要、報酬の

高低も十分考慮に入れることも重要である。

実務翻訳は大きく分けると、マニュアル翻訳、特許翻訳、契約書の翻訳、

医学・薬学の翻訳のジャンルに分けられる。

それぞれのジャンルについて下記リンクに仕事内容を詳しく説明している。

実務翻訳の仕事

 

マニュアル翻訳

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①マニュアル翻訳

■仕事内容■

電化製品には必ず製品の取扱いについて解説した小冊子がついているが、

それがマニュアル(取扱説明書)であり、その翻訳がマニュアル翻訳である。

マニュアルを見ながら製品を動かすことができるよう、翻訳者は誤解を

招かず簡潔かつ明瞭な文章に仕上げるテクニックが要求される。

マニュアルの表現が適切でないと事故につながる恐れもあり責任は重大

である。現在、実務翻訳界ではコンピュータ関連のマニュアル翻訳の

需要が最も高く、実務翻訳全体の3分の1を占めるとも言われている。

コンピュータの世界は技術が分単位で進歩しているので、翻訳者は

雑誌などで最新の情報を収集しておく必要がある。

 

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特許翻訳

<2.実務翻訳>

②特許翻訳

■仕事内容■

特許翻訳は外国の発明や商品名、商品のデザインが日本の特許を

取得する時、また、日本の発明が外国の特許を取得する時に発生する。

翻訳を必要とするのは特許書類の中でも出願の際に特許審査機関

(特許庁)に提出する出願書類(明細書)の翻訳である。

明細書は特許独特の言い回しやルールで書かれており、中でも

独特なのが「特許請求の範囲」と呼ばれる項目である。特許を請求する

技術の内容がカンマや関係代名詞などでつながった1つの文章で長々と

続く。特許翻訳に携わるにはこの特許独特の文体をマスターする必要がある。

特許翻訳で訳す文書は新しい技術の発明者の権利を主張するものであり、

契約書と同様に依頼者の利害に直接関わる文書である。専門知識を

要求される上、特有の言い回しや書式が多いため、実務翻訳の中でも

ベテランの翻訳者が多い分野である。海外の企業が日本に特許申請する

外国語訳及び和訳の需要は年々増加しており大変な需要を抱えている。

そのためこの分野の翻訳者は不足しているのが現状である。

特許翻訳のジャンルで評価を得ることができれば翻訳者としては安泰である。


 

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契約書の翻訳

<2.実務翻訳>

③契約書の翻訳

■仕事内容■

契約書とは二者間あるいは一対複数者間の契約(取引)内容を明記

した文書である。お互いの合意内容を文章化することによって契約の

不履行を回避し、確実に契約が実行されるようにするための文書で、

日本と外国との取引が発生するところに契約書の翻訳が発生する。

日本企業と海外の企業の間では契約書の交換が頻繁に行われており、

具体的な取引内容は商品、不動産、ロイヤリティの売買契約、商品の

メンテナンス契約、設備の設置契約、設備(土地、建物、機器)や

ロイヤリティの賃貸契約、社員の雇用契約などである。

ビジネス知識、法律用語などについての知識が必要となるばかりでなく、

契約者の利害に直接関わる文書のため、こなせる人が少ない分野である。

このため報酬が高めで、和訳、外国語訳両方の需要があるのも特徴である。


 

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医学・薬学の翻訳

<2.実務翻訳>

④医学・薬学の翻訳

学会やドクター、薬や医療機器メーカーなどから依頼される文書の翻訳。

学会やドクターが依頼する翻訳で最も多いのが論文やスピーチ原稿の

英訳である。一方、メーカーが依頼する翻訳には管轄機関(日本の場合は

厚生省、アメリカの場合はFDA)の認可を受けるための申請書類

(症例報告書や臨床報告書など)、社内文書、薬の添付書類、薬をめぐる

裁判の関連書類、薬事法などの翻訳がある。また、病院で使う医療機器は

海外で開発されたものが多く、そのマニュアルやパンフレットの翻訳も

翻訳者が行う。さらに医学・薬学関連の出版物もあり、実に幅広い需要が

ある分野である。とりわけ認可書類はひとつの薬で申請段階がいくつもあり、

さらにそれぞれの申請書類が膨大になることから医学・薬学の翻訳の

需要を高めている。専門知識を必要とする実務翻訳の中でもとりわけ

高度で特殊な専門知識を必要とすることから、できる人が不足しており、

需給の関係もあって他のジャンルの翻訳よりも報酬が高めである。

■仕事獲得法■

医学・薬学専門のプロの中には、医学・薬学のバックグラウンドを持って

参入してきた人と、語学力から参入してきた人の大きく2つに分かれる。

前者の中で最も多いのが大学で薬学や生物学を学んできた人たちだ。

(医学部出身の翻訳者はほとんどいない)。

一方、語学力を武器に参入してきた人はまず別の分野で実績を積み、

比較的専門的でない医学・薬学の翻訳から入って徐々に専門的な

内容に移行していくのが得策である。そして、医学・薬学関連の優れた

翻訳者となるには、まず第一に和訳だけでなく英訳も行えること。

そして専門家が読むに耐えるフォーマットや文体を知っており、

「広く深い」専門知識を身につけることが重要である。また、わからない

箇所が出てきた時に、いかに対処するかも重要である。

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