文芸翻訳
<1.出版翻訳>
①文芸翻訳
小説(文学、ミステリー、ホラー、SF、法廷もの、ロマンスなど)、
映画のノベライゼーションなど文芸作品の翻訳を文芸翻訳と呼ぶ。
産業翻訳ほど専門分野を特定することはないが、ミステリーを得意とするのか、
SFなのか、ホラーなのか、それともロマンスなのかといった具合に、
翻訳家の好みや実績によってある種の専門性が出てくる。
例えばミステリーには犯罪や法律、医学用語が出てくる率が高いし、
SF小説にも科学用語がたくさん出てくるからだ。
翻訳家はどんなことでも調べ物をしてあやふやなものがない状態に仕上げる
必要がある。そのためには図書館で調べたり専門家に聞いたり、場合に
よっては原作者に直接コンタクトをとってわからないことを明確にしていく
調査力が必要である。
文芸翻訳家にとって最も重要なのは語彙の豊富さ、バリエーションに富んだ
表現力、すなわち日本語の文章力である。原作が持つ雰囲気、個性、味を
逸することなく日本の読者に伝えることは翻訳家の使命である。
翻訳家の日本語力が乏しければ優れた作品も台無しにしてしまう。
原作を正確に解釈する語学力が不可欠である。
文芸作品の翻訳が出版社から翻訳家に依頼される場合、翻訳家はまず
リーディングという作業を頼まれることが多い。リーディングとはその作品が
日本で売れるかどうかを出版社内部で判断するために翻訳者に原書を
読んでもらい、本の内容、特徴などをレポートしてもらう作業。
シノプシスを読み、出版社で売れると判断されれば、著作権を取得する
ことになる。出版社の中にはリーディング専門の要員を抱えている場合もあり、
新人翻訳家や翻訳家の卵が担当している。
コンスタントに売れる作家の作品やシリーズ物は一人の翻訳が続けて
担当することが多く、翻訳家にとって継続して翻訳できる作家にめぐり会える
ことがその後の実績作りに大きく作用する。
■文芸翻訳家になるには■
文芸翻訳家の経歴で圧倒的に多いのが英語・英米文学科出身の人である。
また翻訳本の編集者出身が多いのも特徴である。
全く知識のないビギナーなら翻訳スクールに通い、ノウハウを学び、
担当講師の目にとまれば下訳や共訳で様子を見た上で実力を認められれば
出版社を紹介される可能性もある。
プロの翻訳家になるには下訳や共訳を行うコンテストに応募して賞を取るなど
実力を証明するための実績作りが大切である。
■出版社の翻訳家採用ルート■
・実績のある翻訳家の紹介
・リーディングを依頼し、実力があると認めた場合
・翻訳学校の紹介
・翻訳会社経由
・翻訳コンテスト優秀者
・新聞紙上での募集
・持ち込み作品を持参してきた人から
■出版社へのアプローチ法■
意外にも持ち込み作品を持参してきた人から採用されるケースが多いことも
この分野の特徴である。あふれるほどある新刊情報から日本の市場に合う
売れる作品を発掘するのは編集者の手にも余る状況になっている。
そのため、インターネットをうまく使い、自分の得意なジャンルの良書を発掘し、
レジメを作成して1章分くらいを訳して出版社にアプローチする。
運良く実力が認められれば採用となる場合がある。
このように自力でアプローチをすることによって新人にもデビューの可能性が
あるのであきらめずに努力することが必要である。
March 31, 2010|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:出版翻訳
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